お金が会社にない!
「スケーリング・アップ」 p280より
2001年創業の
ゲイリーズ・ファニチャーは、
高級家具の輸入・製造をしている。
15年の間にスタートアップから
中堅企業に成長し、
収益は4200万ドルに達した。
顧客層は拡大を続け、
地理的にも広がり、
この10年は着実に
利益を上げている。
(中略)
あるとき、
細心の財務報告書を
取引先銀行に提出して間もなく、
その銀行から会議を開くので
来て欲しいと言われたときにも、
彼は何も心配していなかった。
しかし、
ゲイリーは知らなかったのだ。
自分の会社が、
”成長しすぎて破産した”
ということを。
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会社の成長期には
キャッシュが必要です。
多くの場合、成長期には
投資が先行するので、
会社からお金が
どんどんなくなっていきます。
もちろん、あとで回収する
見込みがあるからこそ、
利益を我慢し、
キャッシュを投資して
成長をしようと思うわけですが、
事実、成長期の会社経営は
「とても難しい」
と言われています、、、
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さて、利益とキャッシュとでは、
どちらが重要だろう?
あなたが成長企業のリーダーなら、
答えはキャッシュだ。
Amazonの収支が
ほぼ損益分岐点あたりにとどまり、
ときには損失を計上することがあるのに、
繁栄を続けているのもそのためだ。
Amazonのビジネスモデルは
莫大なキャッシュを生み出す
(2013年には30億ドルを超えた)。
それが、急速な成長を支えている。
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では実際に、
キャッシュを回しながら
事業を成長させるには
どうすればいいか?
スケーリング・アップには、
「パワー・オブ・ワン」という、
キャッシュフローを改善させる
とても簡単なテクニックを紹介しています。
「パワー・オブ・ワン」は
「1の力」ということなのですが、、、
財務上の「7つの項目」たとえば、
商品価格や在庫の保管日数、
売掛金回収までの日数や
買掛金支払までの日数、
などを、それぞれたった
「1%」あるいは
たった「1日」だけ
変化させることで、
キャッシュフローを
大きく好転させることができるのです。
例えば冒頭の高級家具の会社
「ゲイリーズ・ファニチャー」の場合、
たった「1」変化させるだけで、
キャッシュフローは30%増え、
100万ドル以上(1億円以上)
好転することがわかりました。
もちろん項目によっては
改善出来ないものや、
場合により1どころか
10も20も改善できるものがあります。
この会社は、最終的に、
7項目のうち3項目は
改善させることはできませんでしたが、
それ以外の項目を
1〜15ポイント変化させることにより、
最終的に約100万ドルの
キャッシュフロー改善に成功しました。
(スケーリング・アップ p297)
会計やキャッシュフローというと、
面倒だったりとっつきにくかったり
というイメージがありますが、
経営者が抑えておくべきところは、
実はちょっとした
ポイントだけだったりします。
そしてそれを抑えておくだけで、
会社の財務状況に大きな改善を
もたらすことができる、
というわけですね。